生木代表理事ご挨拶

協同組合ビリーブは2020(令和2)年初代理事長の関博多郎を中心に設立されました。

当時わたしはいくつかの監理団体の運営に関わっていたところ、関さん(以下、ここでは当時の関係性を踏まえてそう呼ばせていただきます)から協同組合設立の相談を受け、あれこれとわたしなりの意見を述べさせていただきました。ついつい、聞かれてもいないことまで述べました。
それから数か月したある日、認可が下りた、と嬉しそうに関さんがご報告に来てくださったとき、その法人名を聞いてわたしは微苦笑を禁じ得ませんでした。当時わたしが一番深く運営に関わっていた協同組合が「協同組合 信」という名前だったからです。ビリーブとは、信そのままではないか、と。
そのことを関さんに指摘しますと、関さんは少しいたずらっぽく笑って、「生木さんの信にあやかりたいと思いました」と言うではありませんか。わたしより10歳以上お兄さんである関さんが、そう言って悪びれない姿に、わたしは不思議と悪い気がしなかったのです。関さんにはそういう魅力があります。

わたしは2001年に技能実習制度(当時は研修・実習制度)に出会ってから、様々な立場でこの仕事に携わってきました。雇われの身で約10年間修行した協同組合に、制度設計にかかわった厚労省の先生が顧問としておられたことがあり、我が国の外国人労働者政策について色々と教えていただくことが出来たのは、わたしの僥倖のひとつです。その先生が2006年か2007年頃、まだ監理団体を第一次受入れ機関と呼んでいたころでした、目を据えてわたしにこう言ったのです。
「生木君、この制度を入管の手から奪い取るのが厚労省の悲願なのだ。労働者なのだから、当然そうあるべきなんだよ。必ずそうなるから、見ておきなさい」と。
2018年と2019年、技能実習法がスタートするというので、入管庁と厚労省による新法説明会が全国各地で開催されました。わたしも、東京で参加しました。一通りの説明の後質疑応答が行われました。厳しい質問に入管庁の講師が手元の資料をぺらぺらとめくりながらすぐに回答できず、要領を得ないまま言いよどむ場面では、厚労省の講師がさっとマイクを取って即座にすらすらと答える姿が印象的でした。入管庁の講師は統括審査官、厚労省は若い主任に過ぎなかったと記憶しています。その時にわたしは、「ああ、この制度はいよいよ、実質上労働者受け入れ制度になるのだ」と先生の予言を思い出したものでした。

その感慨は2024年6月に国会で成立後公布された改正技能実習法(育成就労法)により、間違いないものとなりました。育成就労から、技能実習法とほぼ同時にスタートした特定技能へと続く道は、外国人労働者の正規ルートになることは確実な情勢です。
わたしがビリーブの運営に参画し、ビリーブの認可地区は全国47都道府県、提携国は10カ国以上、そして100以上の作業にまで取扱い範囲(技能実習生をご紹介できる職種・作業)が拡大します。関初代理事長時代の良さはそのままに、更に組合員の皆さまに喜ばれる組合運営を心掛けて参ります。どうぞよろしくお願いします。ご期待ください。

TOP